実施図作成に必要な資料準備

 

  建築プロジェクトの実施図を作成するためには、以下に示すさまざまな資料が必要です。

1. 基本設計関係の資料 🏠

 
資料名 内容・目的
基本設計図面 平面図・立面図・断面図など、建物の骨格がわかる図面
建築主からの要望書・ヒアリングシート 設備、仕様、仕上げ、間取りなどの希望事項
面積表 床面積、建築面積、延床面積、各室面積など
建築スケジュール(工程表) 設計~施工までの流れと納期感の把握
建築主・使用者の運用条件 施設の用途、運用時間、将来の変更予定など

2. 法規・制度関連の資料📜

資料名 内容・目的
建築基準法関連情報 用途地域、容積率、建ぺい率、高さ制限などの法的条件
各種条例・指導要綱 日影規制、景観条例、福祉のまちづくり条例など
確認申請関連資料 申請用図面や提出書類のチェックリスト
消防法関連要件 避難経路、非常照明、火災報知器の位置等

3. 敷地・周辺環境に関する資料🏗️

資料名 内容・目的
測量図(現況測量図・確定測量図) 敷地境界、敷地形状、レベル差、方位など
地盤調査報告書 地耐力、杭や基礎の選定に使用
道路・インフラ情報 接道条件、上下水・ガス・電気の引き込み位置など
周辺建物・環境調査 隣地の建物、日照条件、騒音などの外部条件

4. 仕様・仕上げ・部材関連の資料📂

資料名 内容・目的
仕上げ表(案) 各部位の仕上げ材、メーカー・品番などの指定
建具表(案) 扉、サッシ、窓のサイズ・種類・開閉方式など
使用機器・器具リスト キッチン、トイレ、照明、空調機器などの品番・寸法
標準納まり図・ディテール よく使われる納まりの標準図・テンプレートなど

5. 構造・設備関連の資料

資料名 内容・目的
構造計画図(構造設計者作成) 柱・梁の配置、基礎形式、構造種別(RC・Sなど)
設備設計方針書 給排水・電気・空調・換気などの基本的な考え方
設備負荷計算書(必要に応じて) 空調負荷、電気容量、給水量などの算定根拠
電力会社・水道局との協議資料 受電・受水・排水計画などの事前協議結果

6. 建築主や関係者との合意資料

資料名 内容・目的
仕様承認書・材料承認書 建築主からの仕上げ・設備等の選定承認
デザインイメージ資料 パース、マテリアルボード、色サンプルなど
打ち合わせ議事録 設計条件や仕様が変更された経緯の記録
コスト計画・見積書(概算) 予算管理のためのコスト情報(VE案含む)

7. 過去図面・参考資料(リノベ・増築時など)

資料名 内容・目的
既存建物の図面 改修や増築の場合に必要な参考情報
現地調査写真・記録 実地調査による状況把握(劣化・寸法確認など)
類似事例の図面 ディテールの参考やノウハウ活用

 

✅ 実施図作成前のチェックポイント

  • 必要な資料がすべて揃っているか?

  • 法的条件・敷地条件はクリアか?

  • 関係者(構造・設備・施主)との情報共有は十分か?

  • 納まりや仕上げの方針が明確か?

  • 図面作成の優先順位・スケジュールが整理されているか?

 

 

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